春空の下、河口へ。

 

バリケードの手前に、河原(砂浜)に降りられる場所がある。

砂浜には、前回来たときには無かった標識が立っていた。

地元の人の話によると、これは「公」が設置したものではないという。

 

しかし、私にとって「河口」はここではない。私にとっての「河口」は、ここから更に50m程行ったところにある。

つまり、先程のバリケードの向うである。

…まあ、半分自己満足の世界なのだが。

 

30m程先にあるこの道の終点。つまりそこが「陸上における多摩川の河口」である。

本当の河口は、其の先にある運河の中間地点だという。

只、そこへと至るには、あまり綺麗とはいえない水の中に入らなければならない。

 

…というわけで、遊歩道の終点まで来た。

ここから先は、もう進むことが出来ない。

折角なので、砂浜に下りてみよう。

前回来た時は、台風による増水で現れることの無かった砂浜へ。

 

カモメですか、これ。

管理人は鳥について疎い。

…何となく癒された。

 

多摩川河口(右岸)到達。

ここから先は、多摩川ではなく東京湾だ。

 

数キロ先で何か工事をしているのが見えた。

恐らくあれが、空港の拡張工事なのだろう。

 

河口より、多摩運河を見る。

奥に架かっている3層構造の橋は浮島橋と言い、左側は浮島(と言う名の埋立地)である。

浮島は、面積の8割を工場(またはそれに準ずる施設)で占められ、残りの2割がJCT・公園等で占められている。

 

こちらは、上流方向。

標高1850mにある源流の一滴が、幾つもの沢と合流し、奥多摩の山峡を流れ、青梅の丘陵を流れ、玉川上水を分かち、

秋川や浅川と合流し、多摩の台地を流れ、東京の平野を流れ、138kmの旅をしてここに至るのである。

 

写真の色彩が不思議な感じだが、実際もこんな色彩であった。

 

振り向くと、遊歩道の突端に一人の小父様が立っていた。

近づいて「ここが河口ですかー」と私が問うと、「ああ、そうだ」とのこと。

話を聞くと、そのお方は川崎に住んでもう50年という。

 

砂浜にはベンチがあり、休憩できるようになっている。

この写真を撮った10分程前までは、地元の少年たちがラジオを持ち込んで聞いていた。

さっきの小父様と色々話しながら、遊歩道を戻っていった。

 

0km地点(Yahoo!地図)

0km地点データ(右岸)

神奈川県川崎市殿町3丁目

京浜急行小島新田駅より徒歩約30

川崎駅よりバス(川03・浮島バスターミナル行)「大師河原」下車徒歩約20

 

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