謎の道と、小さな旧道

白丸界隈・趣味探索(旧白丸隧道編)

2008.10.22

 

謎の道を堪能した私は、数馬峡橋を渡った。

適当な画像が無かったので、2007年の訪問時の写真を使用した。

車も通ることは出来るが、路面のタイル張りなど、なにやら人道橋みたいな雰囲気だ。

 

橋の上から、下流の方を見る。

国道と、線路が、この山の中を窮屈そうに通っている。

 

ここでも少し、あのチョロンと見えている線路を電車が通ることに期待してみた。

緑に埋もれる『走ルンです』を、撮ってみたかった。

が、3分待っても来ないので待つのを止めた。

 

一方こちらは上流側。

右側のトンネルは、国道411号線「白丸トンネル」である。

次の小ネタは、あのトンネルの旧道だ。

 

橋を渡ると、道は国道に突き当たる。

駅に行くには右の方に進むのだが、私は左に進んで白丸トンネルの方へと向かった。

 

トンネルの手前から、ご覧のとおりの旧道が延びている。

ただ入口にはガードレールがあり、車での進入は不可能だ。

この道の狭さが、嘗てのこの辺りの青梅街道の交通事情の悪さを表していると思う。

でも、1車線!アスファルトの罅から延びた雑草!まさに旧道

「普通の」人から見れば只の古びた道にしか見えないだろうが、私はこのような景色に目茶苦茶興奮するッ!

先程の謎の道と違い、こちらの道にはちゃんとはっきりとした歴史があるぶん、安心できる。

 

来た道を振り返って撮影。

少し進むと、道は砂利敷きとなった。恐らく下に舗装路が隠れているのだろう。

そして、路肩には工事用の資材が積まれている。

資材置き場として利用されているのだろうか。

 

…で、振り返ってみると。

 

す、素掘り隧道!!

これこそ、この小さな旧道のハイライト、旧白丸隧道だ。

只、ここ数年の間に作られたような真新しいゲートが、これより先の道を通せんぼしている。

このゲートさえなければッ・・・!

この先はとある会社の私有地(資材置き場)のようで、無論入れば不法侵入…。

 

という訳で、私にはゲートの網と網の隙間からカメラを突っ込むことぐらいしか出来なかった。

トンネルの中はコンクリートによる吹きつけも無く、完全に素彫りである。

延長は10mあるかないか。会社の敷地として現役の為、あまりトンネル自体に綻びはない。

…入りたかった。

 

現在の白丸トンネルの旧道にこの隧道があった。では、この隧道にも旧道があるのではないか。

その旧道とは、名所「数馬の切り通し」を有する山の路。

多摩川沿いに車道を通すにあたり、当時の人々は出来るだけ地形に沿って道を作ってきた。

が、ここだけはどうしても穴を掘らなければならなかったのだろう。

この僅か10mの隧道に、昔の人々の苦労と喜びが沢山詰め込まれているのだ。

 

これ以上進めないので、ここでUターン。

何台もの車が、「今の」白丸トンネルに吸い込まれていった。

 

国道から白丸駅に至るルートは、いくつか存在する。

私は手っ取り早く駅へ向かうために、「白丸駅近道」などと書かれた看板に従い細い道に入っていった。

車は入れない細い道をどんどんと登っていくと、駅のホームが見えた。

で、そのまま道をまっすぐ進むと、この景色。

とあるお宅の玄関が、そのままホームに直結しているのだ。

家を出てから徒歩5秒で、電車に乗ることが出来る。素晴らしい(笑)

 

白丸駅のホームである。単線のいかにもシンプルなつくりだ。

左側にある駅名表のあたりに、「素晴らしい入口」が存在する。

無人駅で、しかも上記のような入口まで存在してしまうのだから、どうやって不正乗車を防ぐのかが不思議な駅だ。

 

ホームで5分ほど待つと、電車がやってきた。

車内は、伽藍としていた。(終)

 

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